2011年6月27日月曜日

ある刑事の死

「ある刑事」とは「刑事コロンボ」のこと。言わずもがな、ピーター・フォークのはまり役、当たり役です。私もフアンの一人として、書きたいことは山ほどありますが、この際、朝日新聞の天声人語子が、私の考えととほぼ並行していたので譲ることにします。編集:高橋 経

追悼:ピーター・フォーク(Peter Falk)

天声人語
2011年6月26日付け(原文のまま)


「刑事コロンボ」に犯人が捕まらない話がある。往年の大女優が再起をかけて夫を殺すが、脳の病で犯行を覚えていない。しかも余命は数カ月。これを知った 親友の演出家が自ら身代わりになる。コロンボはうその自白を戒めつつ、「数カ月は持ちこたえてみせる」の言葉にうなずいた▼そんな泣かせる結末や鮮やかな アリバイ崩しが、浮かんでは消える。敏腕刑事を温かく演じたピーター・フォーク氏が83歳で亡くなった。(6月23日夜半) 晩年は認知症だったが、ファンはその姿を忘れまい ▼30を前に公務員から転身、40過ぎに生涯のはまり役を得た。無精ひげ、ボサボサの髪はメーク不要。「車にレインコートにわたしのこのツラ、これだけそろってりゃ十分だ」と自伝(田中雅子訳、東邦出版)にある▼渥美清さん以外の寅さんがいないように、コロンボは氏と、日本では小池朝雄さんの声を併せて完成した。対する犯人役には男女とも大物が使われ、よんどころない事情で殺人に走る成功者たちを、時に切なく演じた▼犯人との知恵比べとは別に、ひそかな楽しみがあった。よれよれのコートの陰から、米国の上流社会をのぞき見る愉悦だ。コロンボが「名ガイド」たりえたのは、俳優の憎めない個性ゆえだろう▼「シャーロック・ホームズのB面」という能書きがお気に入りだったという。以後、「コロンボのB面」とでも呼ぶべき刑事ドラマが各国に生まれた。恐らくは 満足の口笛を吹きながら、ボートをこいで霧の海に去る名優が見える。
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思い出の名場面

(以下は、ニューヨーク・タイムズ6月24日付けから抜粋)

ロサンゼルス警察の警部補コロンボ役で、ピーター・フォークは従来の典型を破り、一見頼りないコミカルなタイプで視聴者を魅了した。上の写真はオスカー・ワーナー(Oskar Werner:)が演ずるハイテクの天才が企んだ完全犯罪と対決する一場面。

私に完全殺人をさせて(Make Me a Perfect Murder)』と題する映画。テレビ局幹部の殺人事件で、その愛人を演ずるトリシュ・ヴァン・ドヴィア(Trish Van Devere:)と会話を交わすコロンボ警部補。

親友ジョン・カサヴェッツ(John Cassavetes:)と協同で1970年に製作した映画『夫たち(Husbands)』の一場面。フォークの右はベン・ガザーラだと思われる。

カサヴェッツ()が主演、監督した酔いどれ婦人(A Woman Under the Influence)』は、精神障害によるある結婚生活を掘り下げた話。重要な脇役をフォークが務めた。上の場面には出ていないが、カサヴェッツの妻役を演じたジーナ・ロウランズ(Gena Rowlands)はアカデミー賞の候補に上った。

後年、フォークは記憶に残る数本の映画に出演した。これはその一つ、1979年製作の義理の親族たち(The In-Laws)』アラン・アーキン(Alan Arkin:)と共演したドタバタ活劇。

さま新婦(The Princess Bride)』フレッド・サヴェジ(Fred Savage:左)の祖父役を演じた。

2002年、ニューヨーク市のロックフェラー・センターで催されたNBC放送局の75周年記念行事に出席したピーター・フォーク。

フォーク
の遺族は、妻のシェラ・ダニーズ(旧姓:Shera Danese)と二人の娘ジャッキー(Jackie)キャサリン(Catherine)

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

認知症(altzheimer)とは、悲しい病です。最近、認知症で数年来病んでいた私どもの友人が亡くなりました。彼女の笑顔が忘れられません。