2010年1月12日火曜日

氷の大祭典: ハルビン版

[:この情報の最初の出所は不詳ですが、当方に転送して下さったのはマリー・グレイ夫人(Mrs. Marie Grey)です。]

中国の東端、朝鮮の北、満州地方の首都、ハルビン(Harbin: 哈爾浜)での冬の気温は摂氏で零下40度にまで下り、その寒さが半年は続く。シベリアの南端で日本海に面した港ウラジオストック(Wladiwostok)から450キロ北西に位置する。こうした厳しい寒さを利用し、ハルビンでは『屋外の大祭典』が繰り広げられている。 ハルビンの住人たちは組織的に、毎年雪や氷の彫刻を競作させ展示する。上の写真は正門近くに建った象徴的な氷の大彫刻笛を吹く人

雪と氷の彫刻による公開展示の起源は、満州時代に遡る。第一回の祭典1963年に開催された。しかし、年中行事の伝統となったのは1985年以降である。爾来、祭典は年々拡大され今日では世界各地から何百万人という観光客が訪れるようになった。それにつれ、彫刻は更に華麗に洗練され、多くの彫刻家が世界中から参加するようになった。

50メートルに及ぶ巨大な壁彫刻の一部を飾る熊の親子

各部門は個人の参加で成り立っている。各チームは、それぞれ3メートル立方の氷塊が単位で与えられ、彫刻や建造物の材料とする。チームの顔ぶれはロシア、日本、カナダ、フランス、をはじめとし、更にはるばる南アフリカからも参加してきている。

アメリカン・インディアンの彫刻が出品されているのが異色。カナダ人チームによる作品。

会場の入り口から見た沈みゆく夕陽。祭典の会場は、ハルビンに注ぐソングア・ジァング川(Songhua Jiang)の岸まで広がっている。夕暮れの会場はまた格別で、『一味違った』祭典が始まる。

氷の大祭典は数平方キロに広がる。ネオンの輝きが氷に照明効果を与え、柔らかい音楽が背景に流れる。ディズニーランドを思わせる全景。飲食物の売店が立ち並ぶ。

(左から) 会場のメイン・タワーロシア風の宮殿この万里の長城はスケート・リンクでもあり、そこを高速で滑り下りることもできる。このタイの寺院から、ディズニー映画『中国の驚異』を思い起す。

全て氷で建造された豪華船(a Dschunke)には船客も乗っている。

氷の大祭典の呼び物のひとつは、氷壁の登攀。氷は全て、ロシア、アムール川(Amur)の支流であるソングア・ジァング川から採掘された。

『雪の祭典』は美術の名の下に、一方で氷の大祭典彫刻の芸術を謳歌する。

1 件のコメント:

JA Circle さんのコメント...

氷というと、いつかは溶ける材料だ。これだけの時間と努力を傾けて完成したものが、やがては溶けてしまうと思うと、この人達は何というムダなことをしているのだろう、という疑問が先ず起こる。でも零下40度の気温が半年も続き、百万人単位の観光客が訪れるのなら、徒労ではないかも知れない。